元塾講師直伝!面白い授業のつくり方

塾講師の苦労・やりがい

こんにちは(^^)

塾講師の命はやっぱり授業!

でも、良い授業って何?どうすれば面白い授業がつくれるの?

最初は(いや、ずーっとかな笑)悩むところだと思います。

 

「元塾講師直伝!」なんて大層なタイトルをつけましたが、本当は面白い授業のつくり方なんて私が教えてほしい!汗

けど、経験と上司から学んだことを精一杯書いていきたいと思います。

 

※学校の授業より塾の授業の方が素晴らしいと言いたいわけではありませんので、誤解のないようお願い致します。

授業にプライドを持つあまり、学校の授業を馬鹿にする塾講師は少なからずいます。

私は仲の良い友人に学校の教員(小中高)が多いので、それぞれの異なる苦労をそれなりには理解しているつもりです。

 

 

良い授業とは

今回お話しするのは、夏期講習や定期テスト前、入試対策授業でもない、中学生の普段の集団指導授業についてです。

 

塾は学校よりも少ない授業時間で同じ量の学習内容をこなさなければいけないので、学校のように生徒に討論会をやらせてみるとか、グループで調べ学習をして大きな紙にまとめよう!とかは通常できません。

「来週の授業までに○○のこと調べてきて」くらいならできますが、あまり時間がかかりすぎる課題は出せないので、基本的には1回完結で考えます。

 

授業のポイント

挙げるとキリがないので、ざっくりといきます。

まずは生徒にとって大事なこと。

  • 分かりやすい
  • 楽しい・面白い
  • できた感・覚えた感

 

次に、教師側が考慮すること。

  • 定期テストや入試に出るポイントを押さえる
  • 生徒に考えさせる(生徒が受け身にならないような)展開にする
  • たくさん褒める、特に成績下位の子が褒められるようにする

 

私が声を大にして言いたいのは、面白い=知的好奇心の刺激・笑いだということ。

授業には「笑い」が必須なのです。

ギャグを言い続ければいいというわけではありませんよ。

 

中学生の授業が行われるのはだいたい夜7時~10時くらい。

朝から学校で授業を受けて、部活もして、生徒たちは疲れています。

どんなに分かりやすくて内容が充実していても、真面目一辺倒な授業を2~3時間ずっと集中して受けるのは正直しんどいです。

定期テストや入試直前など、緊張感があって生徒のモチベーションが高いときには可能ですが。

 

新卒時代の上司には「熱意があれば伝わる!」と言われていましたし、知的好奇心を刺激するような内容を盛り込めば生徒は満足してくれると思っていました。

もちろん、講師の熱意も知的好奇心を刺激することも非常に大事…いや、むしろ欠かせません。

でも笑いも欠かせないのです。

 

大人だって、同じことを教えてもらうなら、ひたすら真剣に話し続けられるより適度に笑える方が良いと思いませんか?

私の正社員時代の専門は社会でしたが、江戸時代の政治の仕組みについて延々真面目に話されて、中学生が喜んで聞くと思いますか?

何だかんだいって、やはり子どもは笑えるものが好きなのです。

 

この「笑える授業」ができないことでつまずく新人講師は非常に多いと思います。

話し上手で、笑いを取ることに困らない人もいますけどね。

たくさん調べて、研究して、中身の詰まった授業をつくることより、笑いを取ることの方が私にはよっぽど難しかったです。

このブログだって、もっと読み物として面白いものにできたらどんなにいいか…(笑)

 

笑い無しでやるとしたら、でんじろう先生の理科の実験くらい「すごーい!!」と思える驚きが必要だと思います。

要するに、笑う、驚いて目を見開くといった「思わず表情が変わる」ような要素が盛り込まれていないと、生徒が授業をずっと聞き続けるのは難しいということです。

講師の話術や展開の工夫だけで毎回そんな驚きをつくり出すのは…かなり厳しいのではないでしょうか。

だったら笑いを取ることを考えた方がよほど現実的です。

 

 

授業のつくり方

どんなことを考慮しながら授業を考えていくか、ポイントを挙げていきます。

 

①学校の教科書・テキスト・定期テスト・入試問題の過去問を見る

その授業で教えようとしている範囲が、学校の教科書や塾のテキストにどのように書いてあるか、定期テストや入試でどのように出題されているか、確認します。

 

市によって使用する教科書が異なる場合があるので、自分の教え子が使っている教科書はできるだけ全部チェックしましょう。

また、塾のテキストでは扱っていないことが過去の定期テストで出題されていた、なんてことも十分あり得ます。

 

数学や理科は、教科書で基本としている解き方を見ておくのも大切です。

塾では別の解き方で教えてももちろんOKですが、「学校と塾で教わったことが違う」というのを生徒はとても気にします。

 

「塾ではこういうふうに習ったけど、学校では違う解き方を教えられました。どちらでやればいいですか?」と聞かれることはよくあります。

そういう場合、私は「どちらでも正解だけど、定期テストが心配だったら学校の先生に直接確認して」と言っていました。

(途中式が違うと不正解にする先生もいるので)

 

忘れてはいけないのは、塾で宿題に出す予定のページの問題にも必ず目を通すこと。

授業で扱わなかった問題が宿題のページに出ていて、授業ちゃんと聞いてたのに家で解けなかった…ということになってはいけません。

子どもが自信をなくしてしまいます。

また、塾の宿題が分からないと子どもが言っていたら、親が「うちの子は授業についていけていないのではないか」と心配するので、そういった観点からも注意が必要です。

 

 

②覚えさせる公式や用語、習得させる解法などを整理する

①の教科書・テキスト・定期テスト・入試などをもとにして、要点を整理します。

授業のゴールを定めるということですね。

 

成績上位クラスと下位クラスでは、ここで多少違いが出ます。

下位クラスは、とにかく基本をしっかりと。

テストで良い点取らせたい!!とつい欲張って難しい内容を入れすぎると、「こんなん分からないって~」と生徒がやる気を失うので注意しましょう。

上位クラスは基本だけでは物足りないので、定期テストで高得点を取ることや、難関私立の入試問題なども踏まえて、教える内容を決めます。

 

 

③調べる・勉強する

書籍やインターネットなどで、教える内容をさらに深く調べます。

生徒が興味を持ちそうな面白い情報や、講師自身が「そういうことだったのか!説明に使おう!」と新鮮な驚きを覚える知識が見つかるかもしれません。

②で整理した要点を順番に説明するだけではつまらないので、生徒の知的好奇心を刺激するような話を探しましょう。

(特にネット上には、真偽の怪しいものもあるということは忘れずに)

 

また、講師は授業で実際に出す数倍の知識を持っているようにしましょう。

私の社会科の上司は「(教える相手が小中学生でも)センター試験レベルは押さえろ」と言っていました。

講師自身が教える内容を深く理解してることで、生徒に説明する際にも余裕ができます。

 

また、実際の授業では生徒からどんな質問が飛んでくるか分かりません。

 

例えば、江戸幕府の15人の征夷大将軍を生徒に覚えさせる必要はありませんが、生徒に「先生、江戸幕府の将軍全員分かりますか?」と聞かれたら、さらりと言えた方がカッコ良いですよね(笑)

「そんなの必要ないから覚えてない」と断ってしまってもいいですが、「えー学校の社会の先生は知ってたのに」なんて言ってくる生徒もいるかもしれません。

学校の先生に対抗しろというわけではなく、教科の担当講師として「この先生はいろんなことを知っている」と生徒に信頼されるのはとても大切なことのです。

 

 

④生徒に考えさせる問題、褒める場面の演出を考える

講師が一方的に教えるだけにならないように、生徒自身が頭を使って考える場面をつくります。

練習問題を解かせることももちろんですが、いろんな解き方や「なぜそうなるのか」などを考えさせましょう。

 

授業内で生徒に問題を解かせるときは、扱うレベルを誤らないよう注意が必要です。

クラス全員ができるようになるレベル ~「これが解けたらすごい!」レベルまで用意します。

難しい問題はヒントの出し方も考えておきましょう。

定期テストや入試で出されていた問題も積極的に取り入れることも重要。

生徒に「役に立つ授業」という印象を与えるためにも有効です。

 

生徒に考えさせたり問題を解かせたりするのは、その後の「褒める」という行為に繋げるためにも必要です。

子育てや学校教育でも「子どもを褒めてあげましょう」とよく言われますよね。

塾でも同じです。

何気なく授業をしていると成績の良い子ばかりが目立って褒められるので、できるだけたくさんの生徒に褒められる機会があるようにします。

問題に正解するだけなく、考え方や気付き、取り組む姿勢など、褒めることができるポイントはいろいろありますね。

 

自分で考える・問題を解く→ 先生に褒められる →「できた!」という実感が持てる

この一連の流れを授業の中に何度もつくるように意識しましょう。

 

 

⑤説明の仕方を考える

講師の腕の見せ所!

「分かりやすい!」と言わせてやる!

説明の仕方は最重要ポイントです。

生徒が「あーなるほど!メモメモ!」としているところを見ると、心の中で思わずガッツポーズしてしまいます(笑)

 

分かりやすく伝えるための方法として多用するのは、やはり例え話や具体例

生徒にとっていかにイメージしやすいものを持ってこられるかが勝負です。

特に、身の回りのことについて学ぶ理科や社会では例え話が多くなるので、授業の準備をする段階でしっかり考えておきましょう。

 

また、全部を詳しく説明するのは授業のメリハリがなくなりますし、時間も足りません。

生徒がつまずきやすいポイントはどこかを踏まえて、話を膨らませるところを考えます。

 

また、例え話は難しい用語などを理解させるだけでなく、覚えにくいものを印象付けることもできます。

 

私の先輩だった英語講師が「楽器の前は『a(an)』ではなく『the』」という間違えやすいポイントについて、例え話を使って説明していました。

「昔から楽器というのは、いつも自分のもの(つまり決まったもの)を使うのが普通だった。例えば、みんな音楽の授業でいつも自分のリコーダー使うよね?授業の最初に配られて、最後に回収されて、いつも違う人のを使うことになったら嫌だよね」

生徒たちは他人とリコーダーを共用することをイメージして「うえ~~」となります(笑)

これで、「楽器はいつも自分のものを使う。だから『the』なんだ」と印象付けられるというわけです。

 

 

⑥授業の導入を考える

生徒を授業に引き込むための導入はとても重要です。

  • 身近なものの話を出す
  • 「なぜそうなるんだろう?」と思わせる
  • 生徒の予想を裏切る

など、いろんな方法があります。

 

例えば、「生徒の予想を裏切る」とはどういうことか。

私が実際に使ったことがネタなのでそんなに良い例か分からず恐縮なのですが…

 

中1社会で「大化の改新(乙巳の変)」の授業をするとき。

中臣鎌足と中大兄皇子が蘇我入鹿を暗殺する、というところですね。

小学校でも習うことなので、教えずとも覚えている生徒が結構います。

だから普通にやっても新鮮さがなくて面白くない。

 

そこで「今日は、ある天才政治家の話をしようと思う。彼の名前は大郎鞍作(たろうくらづくり)…」と話を始めます。

簡潔にまとめますと、

彼は非常に有能で先見の明があったが、それゆえ他の政治家の考えが及ばないようなことをして、何か企んでいるのではないかと疑われるようになった。そして彼は暗殺されてしまう。

→彼のよく知られている名前は蘇我入鹿

という話です。

(参考サイトhttp://nozawanote.g1.xrea.com/03episode/episode64.html)

 

生徒たちは、中臣鎌足と中大兄皇子がヒーローで、蘇我入鹿が悪者というイメージを持っています。

また、そもそも彼らをあまり「政治家」と思っていないので、「天才政治家」として蘇我入鹿を紹介すると意外性があるのです。

(歴史で何かエピソードを引用するときには、いろんな説があるという旨を付け加えておきましょう)

 

授業の導入で生徒をワクワクさせること、早く授業の中身を聞きたいと思わせることが大切です。

 

 

⑦笑わせるポイントを考える

私が授業づくりで特に苦労したのはこれですね…

私はお笑い芸人でも何でもないのに、どうしてこんなに笑いのことを考えているんだろう、とよく思っていました(笑)

 

下品すぎるのはダメ、誰かを傷付ける可能性があるのもダメ、講師が極端におかしなキャラになるのもダメ。

家に帰って生徒が親に「今日の授業で○○先生がこんなこと言ってた」と話しても問題ないネタにしましょう。

 

ネタを考えるのが苦手な私がよく使っていたのは「一人芝居」でした。

例えば、「中臣鎌足と中大兄皇子が暗殺を企てた」と説明する場合、それだけでは何も面白くないですが、

「鎌足よ…入鹿のやつをどうする」

「このまま野放しにはしておけませぬな」

とか一人芝居をするだけで笑いが取れたりします。

(白けることももちろんあります笑。恥ずかしがってはいけません。めげないメンタルが大事です!)

 

授業中ずっと生徒を笑わせ続ける必要はないので、笑わせたいところと引き締めたいところのメリハリを意識しましょう。

特に生徒をコントロールする力量がないうちは、笑わせすぎて収拾がつかなくならないように気を付けなくてはいけません。

 

「生徒をコントロール」と書きましたが、「笑わせる」のはOKでも「笑われる」のはNGです。

笑われているのは講師が生徒をコントロールできていない状態。

講師が意図的に笑いを生み出し、止めたいところで止める、ということが大切なのです。

 

中には、笑いを取ることに困らない講師もいます。

私の同期だった数学の女性講師は「笑いどころなんて考えたことがない」と言っていました。

彼女は生徒とコミュニケーションを取るのが非常に上手。

授業中の生徒とのちょっとしたやり取りや、生徒の反応を拾うことで、自然に和やかな笑いを教室に生み出すことができるのです。

そして問題の解説はテンポ良く、スピード感のある授業

彼女はとても支持率の高い講師でした。

 

 

⑧覚え方を考える

分かりやすさと並んで大事なのが「覚えやすさ」。

「鳴くよウグイス平安京」のようなゴロ合わせや歌、関連付けなどですね。

英単語も公式も用語も全て100回書けば覚えられるかもしれませんが、そんな時間はないですし、正直面倒くさい。

効率の良い勉強法や裏ワザ的な方法を提供するのも、塾に期待されている役割なのです。

テストや入試に役立つ暗記術は、生徒にももちろん喜ばれます。

テスト前に生徒が学校で「塾で覚え方を教えてもらった」と友達に話したりすれば、口コミにも繋がりますね。

 

また、覚えさせる方法はそれだけではありません。

先ほどの例え話のところでも述べましたが、「授業内でいかに印象付けるか」ということももちろん大切です。

例えば、地図が描かれたプリントなどを配るのではなくあえて生徒に自分の手で描かせる(もちろん難しすぎるのはダメ、授業の時間配分なども考慮して)、リズムを付けて何度も声に出させる、などなど。

ただ講師の説明を聞く、ノートを書くだけではなく、生徒のいろんな感覚を刺激することで記憶の定着を狙います。

 

⑨板書を考える

板書は復習するために必要なので、まずは見やすくまとまっていることが第一。

見出しの形式をそろえたり、重要なところを色分けしたりするなどですね。

(カラフルにしすぎないこと。2~3色程度で)

 

また、生徒が「授業を頑張って受けた」感を得るため、親が見たときに安心できるようにするためにもノートは重要です。

板書が多すぎると書くのに時間がかかって生徒も疲れてしまいますが、少なすぎてもいけません。

もちろんその日の授業内容にもよりますが、ノートの3分の2~1ページに収まるくらいがベストではないでしょうか。

 

授業に慣れてくるとだんだん板書計画までは作らなくなりがちです。

1回の授業の準備に何時間もかけられるわけではないので、経験を積んできたら準備の省エネ化もある程度は考えなくてはいけません。

しかし、板書計画は意外と大切だと私は思っています。

生徒はノートをきれいにまとめたいと思っているので、次のページに1~2行だけはみ出してしまったりするのはテンションが下がるのです。

実際、授業終盤に「先生、あと何行書きますか」と聞いてくる生徒がたまにいました。

些細なことではありますが、「あと5行くらいかな」とか答えてあげられる方が親切ではないかなと思います。

 

 

終わりに

いかがでしたか?

 

いろいろ書きましたが、結局は先輩に聞く・真似をするのが面白い授業をつくる一番の近道です。

  • 教科書レベルは超えているけど、成績上位クラスにこの公式は教えておくべきか
  • この単元で笑いが取れるネタや覚え方はないか
  • 成績下位クラスの生徒にこの問題は解けるか

などなど、経験豊富な先輩たちは全て知っています。

自己流にこだわらず、積極的に先輩に教えを乞いましょう。

 

一方で、先輩に教わった通りにやったからといって必ず上手くいくとは限りません。

場数を踏むことで、話し方、間の取り方、表情や身振りの見せ方などが身に付いてきます。

 

授業が上手くいかないうちは本当に苦しいですが、徐々にコツを掴んでいくと、授業は楽しくて仕方ない時間になります。

これから塾講師になるという方、頑張ってください!

 

また、授業は生徒のためのものであることはもちろんですが、塾の「メイン商品」であり、宣伝してくれるのは生徒や親だという視点を忘れてはいけません。

チラシよりテレビCMよりホームページより、学校の友達やママ友の言葉の方が信用できますよね。

あなたの授業が評判になって塾にどんどん生徒が集まってきたら、何とも誇らしいことだと思いませんか?

 

 

長くなってしまいましたが、少しでも参考になりましたら幸いです。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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